Leica M10
「他人に貸す???フツー...」
1週間ほど前、奴は先輩のカバンの中からおもむろに姿を現した。
使ってないから貸してやる?何を言っているのだこの人は。
一緒にいた友人が「悪いことは言わないからやめておけ」と私をたしなめるように言う。
貸してくれる?本当に?
私はそっと手を伸ばした…
なんということだろう。手持ちのノクトン50/1.1がこんなにもよく似合う。
とりあえず撮ってみよう。
M10を受け取ったその日はメガウェブへ。
50/1.1をデジで使う機会はかなり久しぶり。M3にベルビアを詰めて撮った時とだいぶ印象が違う。ベルビアだと開放でかなり甘いと感じていたが、M10では細い線で輪郭が表現されていることが確認できる。なにより、50/1.1で何ショットしてもノーコスト。これは...これは楽しいぞ...。
「俺はやめておけと言ったんだ」
友人「だから言っただろ。やめておけって。」
???「くくく ・・・ だからどうしたってゆーんだそれが・・?無理だろう、いくら理屈並べても・・お前はもう見てしまったんだ。 ライカM10を。 お前はまた 走り出すしかないんだヨ」
まあね。とりあえずね。
新品で買うとなるとM10-P。108万円か。
高いと思う。しかし、問題はいざM10を先輩に返す時が来た時、自分自身がなんと思うかだ。
考えてもみろ。日本人の初任給が約1万円だった時代、ライカM3は約23万円だったそうじゃないか。新品のライカがせいぜい給料5か月分。実は安いのでは...。
ところで、私が欲しいカメラはもう一つある。
54万か...安くなったな。
こやつもこやつで、先日久しぶりにファインダーを覗く機会があってすっかりヤられてしまっているのである。ちょうどM10-Pの半額だなあ...。
アダプタを買えば手持ちの67レンズは自動絞りも効くのがうれしい。
金額の問題を持ち出すなら中古というテも出てくる。
M10を貸してくれた先輩も中古で入手している。
美品で63万円か。なかなか悩ましいレベルに落ち着いているようだ。
しまった。ペンタックスKの必修単位のおかわりもあったんだな...
今年の終わりにとんでもない爆弾を放り込んでくれた先輩に感謝。
理想のカメラを求める旅はまだまだ終わりそうにない。
その前に作品を撮れ!!!!