並ぶと色々見えてしまう
彼がロードスターを納車しておよそ一か月。遂に相まみえるときが来た。
油断してはならない。相手は上級グレードだ。気を抜けば一瞬で喰われるぞ。
警戒を厳とせよ!総員戦闘配置!
彼のロードスターは2022年式、Sレザーパッケージのホワイトセレクション。
私のSスペシャルパッケージの上級グレードであるSレザーパッケージをベースに、ホワイトレザーの内装としたグレードだ。2021年モデルから設定された。
https://www.mazda.co.jp/globalassets/assets/cars/roadster/common/pdf/roadster_catalog_gradechart.pdf
詳しいグレードの差異はこちらから。
昭和のクルマであれば、私のロードスターがスタンダード車、彼のロードスターはデラックス車ということになる。
くやしい。とてもくやしい。
シートは布の方が好きなのだが、彼のロードスターはシートだけでなく助手席側のインパネにもホワイトレザーがあしらわれ、ひじ掛けもクッション入りの柔らかな素材。対して私のはどちらもプラスチックむき出しでカチコチ。
デラックス車とスタンダード車の間には越えられない壁があるのだ。
サンバイザーもSレザーパッケージ以上はレザー張りになる。Sスペシャルではプラスチックむき出しどころか100均みたいなクオリティのバニティーミラーがやっつけで付いている。試乗車はレザーパッケージベースのとある特別仕様車だったので、納車当日は大変驚いた覚えがある。
「まあロードスターだからね」
そう言って納得していた私に、彼のロードスターのいかにも乗用車然とした常識的サンバイザーはまるでBMW Z4、いやレクサスLC500コンバーチブルかのように映った。
驚くべきことに、ひじ掛けとサンバイザーの差は先のグレードチャートにも載っていない。
圧倒的グレードヒエラルキーを目の当たりにして、その夜、私は静かに枕を濡らした...
★HI★GA★MI★
まあここまでのヒガミ話は冗談として
グレードの違う同じクルマを並べてまじまじと観察できるのは中々にない機会だ。
そこで今まで聞いたことのない、気になる差異を見つけた。
幌の縫い目、ステッチの部分に注目してほしい。こちらは友人のロードスター。
こちらが私のロードスター。ステッチが白い。とても白い。
レザーパッケージとスペシャルパッケージでは、実は幌も違い、レザーパッケージでは吸音材が入った幌になる。そうか。吸音材無しの幌はステッチが白いんだ。黒い方が絶対にカッコイイのに、こんなところでもグレードの差が...と思いかけたところで、さらに注意深く観察してみると
ボディとのキワのところ。
...ステッチが黒い。まさかの日焼け!?
黒い。間違いない。日焼けである。
人生で初めてのオープンカー。所有して1年半になるが、まだまだ知らないことがあるようだ。
一緒にツーリングすると、走るNDロードスターを眺められてとても気持ちがいい。
また新しい楽しみが増えた。