真岡鐡道の本社と車両基地がある真岡駅の東側は、ここ数年、SLをテーマにした観光施設の開発が進んでいます。
市内の公園に屋根付きで保管されてた9600型蒸気機関車を、圧縮空気で動くように整備したのね。動く9600型はここが唯一じゃないかな。
一昨年には静岡からD51も嫁いできて、わざわざ屋根も付けて。そちらも同じように動くようにするような雰囲気です。
休日はそれなりに人も来るみたい。
ここを中心に真岡市が盛り上がるのは実に喜ばしいことです。
陽の当たらない西側
さて、盛り上がる駅東側を横目に、西側の留置線にひっそりと佇む車両たちがあります。
ここにいるのは、真岡鐡道がかつて国鉄真岡線だった時代に活躍した車両たちです。
最後にペンキが塗られたのは何年前のことだったか。
まるでこの空間だけ時が止まってるかのようです。
長年風雨にさらされた車体は各所に錆が浮き、実に痛ましい姿。
しかしその姿は、独特の風格と存在感をたたえ、どこか美しい。
柔らかな西陽が差し込み、キハ20のボディに桜の木が写っていた。
滅多に人が訪れないこの場所では、静かに、ゆっくりとした時間が流れる。
キューロク館で賑わう駅東側が「陽」なら、こちらは「陰」でしょうか。
春には車両たちの上まで枝を伸ばす桜の木が、いっぱいに花を咲かせます。
たった2枚の写真でしたが、少しでも魅力を感じたという方、真岡を訪れた際にはぜひ来てみてください。
この場所を、あなたもきっと気に入ります。
キューロク館駐車場から留置線を望む